2016年06月30日

ひたむきな後姿に

職場の近くに今春オープンした「インド料理店」。これまで数回足を運んでいるが、いつも私以外に客がない。閑古鳥が鳴く店内に、コック姿のインド人男性とインドの民族衣装の日本人女性の若い二人。夫婦のようだ。
店先の大きな看板の出来が「あまりにひどい」ので、つい広告屋の常で「ひとこと言いたくなる」のをグッとこらえていたところ、先日、うれしいシーンに出くわした。その看板に向き合ってペイントをし直している「ひたむきな後姿」に、思わず拍手。出来映えは二の次。その自助努力は、必ず実を結ぶぞ! 「そうだ、めげずにガンバレ!」。
異郷の地・日本で、自力で生きていこうとするインドの若者達。ボランティアで看板を作ってあげることもできるが、長い目で見ると二人のためにならない。やり直しがきく若いうちに「商売の本質」をおぼろげでも自力でつかむことができれば、独立独歩の事業をやり続けられる。運や人の施しに頼って自助努力を怠れば、長続きするはずがない。自営業の先輩として、これだけは断言できる。
若い頃アメリカで、いよいよ金に困り「皿洗いのバイト」でも…という時、頼れるのは自力しかないと痛感した。あの頃のそんな記憶が呼び起こされて、日本で働く外国人の若者に接すると、心の中で「ガンバレ!」とついエールを送りたくなる。

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