2014年07月11日

五感を総動員した仕事

視、聴、味、臭、触。この5つの感覚を人間の基本五感と称します。有名なメラビアンの法則では、話し相手から感じ取る情報は、言語情報から7%、聴覚情報から38%、視覚情報からが55%、となっています。
目から入る情報にいかに人は影響を受けやすいか、という話ですが、近年はネットからの視覚情報が激増して、従来よりもさらに視覚情報に偏重したコミュニケーションが増えているように思うのですが、皆様はいかがでしょう。

先日、モノクロ時代劇「座頭市と用心棒」を下町の映画館で観たのですが、CG映像に慣れた眼には刺激的でした。勝新太郎や三船敏郎という名優の演技もさることながら、どしゃ降りの雨にずぶぬれになりながら大声を張り上げて格闘している出演者達に、妙に「人間臭さ」を感じて、つい見入ってしまいました。

当時は、雨のシーンは実際に雨が降るのを待って撮影したとか。俳優や監督以下スタッフ全員が、自然に寄り添い、それぞれの五感を総動員して映画作りに勤しんだのでしょう。このような映画の作り方に対し、非効率なアナログ仕事だ、などと今日誰が非難できるでしょうか。

いつの時代も、「人手がかかった、ていねいな仕事」に人は好感するもの。私たちも五感を総動員した「人間臭い仕事」を続けていきたいものです。

↑PageTop