2013年07月11日

デザインとセンス

「自分にはデザインのセンスがないから…」とおっしゃる広告主様がおられます。デザイン系のソフトウェアの普及で、誰でも比較的容易にイメージをカタチにできる時代になりました。「あとはセンスさえあれば、だれでもデザインできる」という話になりそうですが、実際はそう単純ではありません。

そもそも「センスのあるなし」は生まれつきのものでしょうか。私どもは、「センスの良さ」は多くの経験に裏付けられたセオリー(理論)の上に構成されていると考えています。
「どの配色がイメージに合っているか」「どんな書体が適切か」「どんなレイアウトが効果的か」といったことを導く時、セオリーや経験が大きなカギを握るからです。よほどの天才を除き、センスは「セオリーの蓄積」の上に成り立つものではないでしょうか。

皆さんは「ユニクロのロゴマーク」はセンスだけでつくられたと思われますか。あのマークは日本を代表するアートディレクターの一人・佐藤可士和氏によるものですが、彼の著書などひも解くと「センスはセオリーの蓄積の上に成り立つもの」であることがよくわかります。

デザイン系ソフトの発達で、イメージをカタチにするためのテクニックに気を取られ、「セオリーの蓄積」がついおろそかになりがちです。私どもはテクニックを磨く一方で、基本的なセオリーの積み重ねを愚直に続けてまいります。

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