2006年06月04日

広告屋の興味

この時期、ペットボトルの「お茶」を販売している大手飲料メーカーが、盛んに「新茶の季節到来」を宣伝していますが、寒かった冬場の影響で今年は「お茶の作柄」はよくないそうです。でも「今年の新茶は作柄が今ひとつで‥」なんて言う話は広告には出てこない。売り手としては、「そんな話を出すわけにはいかない」のもなんとなくわかる。さて、ここで皆さんはどうお考えになりますか?「新茶の香り美味しさ」を売りにするなら、正直に今年の作柄まで言及すべきでしょうか?いやいや商売なんだし、うそはダメだが、何もそこまで言うこともないか? 我々広告屋はキャッチフレーズなどを考える時、「売り出す対象物の優位点にスポットを当てて考える」習性があります。「長所は短所をおおい隠す」「万能な商品やサービスはこの世になるはずもない」など理屈をつけて。最近読んだ販促の本に次のような記述がありました。販促に際しては「長所と同じくらい、いやそれ以上に短所を明示すべし」と。「マイナス面隠さず積極的に情報開示することこそが、消費者の信頼を得る王道である」とその書は説いていました。飲料メーカーのどこでもいいから、「今年の作柄は全体にいまひとつでしたが、うちは企業努力を重ねて、うまいお茶を今年も皆様に提供しています」なんて宣伝文句を出してくれないかなあ!

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